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教えると成長できる…これって本当!?

教えることで、自分も成長できる…。
実に良く使われるフレーズなのですが、個人的には、ずっと違和感を感じています

確かに、誰かに何かを伝える事ができるのだとしたら、それはとても光栄なことだし、生徒さんの成長を見るのは嬉しいし、時に想像以上の努力で能力を開花させる姿に、私自身も鼓舞される…というのは事実です。

それに、教えるスキル自体は、指導の経験によって培われるものであるのは言うまでもありません。

ただ、教えることで、自分も教えられる、成長できる…というほど、音楽の道は生易しいものではないと感じるのです。

なぜなら、自分が「実際に経験したこと」、「身につけた技術」、それ以上を誰かに伝えるなどと言うことは、できないハズだと思うのです。
言ってみれば、教えることは身を削る作業。
それまでに培ってきたものを、ドンドン放出していく。
だから、教えるだけの毎日では、成長するどころか、いつか底をついて空っぽになってしまうでしょう。

常に放出し続けても、痛手を受けずに済むためには、それを大きく上回るほど、新たなものを取り入れていかなくてはいけない…。
それが、「舞台に立ち続ける」ということだと思うのです。

舞台に立つ以上、それは常にリスクを伴うものとなるし、全ての人が大絶賛をしてくれるというものでもない

でも、舞台を務めるという覚悟の中で、真摯に曲と向かい合い、お客様と向かい合う…その経験によって成長し続けることが、何よりも必要で、その中で培われたものが、誰かの役に立ってくれるのだとしたら、それは、とても嬉しいことなのです


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暗譜って何の為にするの?

ピアノの場合、それが子供の発表会であったとしても、たいていは暗譜(楽譜を見ない)で演奏します。
早く暗譜しなさい!!なんて、先生に怒られっちゃた経験も多いのでは?
だけど、暗譜って、一体何のためにするのでしょう????

まずは、意外な理由から言うと…。
ズバリ!!パフォーマンス!!

「楽譜を見ないで、こ〜んな難しい曲が弾けるんだぞ!
ど〜だ!!!!」
と、得意満面

こんな理由をトップに持ってくると、おこごと言われそうだけどっ・・・
でも、歴史的に見ても、暗譜の習慣化は割と最近のことで、せいぜい200年弱ではないでしょうか。
派手なパフォーマンスで観客を惹き付けたフランツ・リスト(1811-1886)の有名な風刺画をご覧下さい。
リスト風刺画


おおースゴイ!!
昆虫のように!?手が6本もあります。
こんな風に、ヴィルトォーゾ(超絶技巧)がもてはやされた時代、暗譜はとっても効果的なパフォーマンスだったこと、間違いないのです。

現代の演奏会でも、何かと「暗譜」していると、スゴイと思われたりしますし…。
コンクールや試験での暗譜必須の傾向も、見た目の派手さはともかくとして(一般的に、お堅い先生方は、こういったパフォーマンス志向は、お好きではないですから…)、若干、形骸化しているとも言えなくないでしょう。

間違ってはいけない上、人生の掛かっている “1発勝負”のステージで暗譜とは、めちゃくちゃ心臓に悪いものです
ほんと、嫌な習慣!!

ところで、いつでも・どこでも暗譜が必要かと言えば、そうとは限らないもの!
一般的に、暗譜で演奏することが多いのは、
ピアノ
声楽
ヴァイオリン
など。

逆に、管楽器や、その他の弦楽器(ヴィオラやチェロ)などは、ソロで演奏される機会も少く、管楽器などは、コンクールや試験であっても、堂々と楽譜を置いて演奏できます。(まあ、何事にも例外はあるけれどっ)

また、ピアノやヴァイオリンだって、ソロではなくてアンサンブルになれば、むしろ楽譜を置くことはマナーとさえ言われたりします。
何かあったときに、対処しなくてはいけないから、とかなんとか。

こう考えると、もはや暗譜は単なるパフォーマンス以外役割がないかのよう
わざわざ、暗譜しなくても良いんじゃないの???

でも・・・そうでは、ないんですよね。

パフォーマンス以上に、暗譜には、音楽を自由に開放するという、大切な役割があるのです。
体の中に深く入り込んだ音楽を、ステージの上で、その時の空気、温度…その他さまざまな感性を研ぎ澄ませながら、音色をコントロールして、一期一会の音楽を表現するためには、目で楽譜を追う…などということに、貴重な五感の1つ「視覚」を使ってしまうなんて、もったいなさ過ぎるのです。

想像力の広がる世界の中で、暗譜は、音楽を自由に、そして、より豊かなものへと導いてくれるのです!

まっ、頑張らなきゃね


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身近に纏う、音楽のプレタポルテ!!

WOWOWでプロジェクト・ランウェイという番組を見ています。
全米から集められた若いデザイナーたちが、様々な課題を与えられながら、勝ち抜いていく番組です。
30分でデザイン、30分で買い物、ものの1〜2日で完成→ランウェイ審査!
というような手順で、優勝特典の
・ブランド立ち上げ資金10万ドル
・ELLE誌面でのデビュー
・高級車(サターン・アストラ 2008年モデル)
・ブルーフライ・ドット・コムで自分のデザインした服を販売する権利
を目指して戦っていきます。

この番組から受けたインスピレーションで、前回のドレス・ネタに続いて
「身近に纏う、音楽のプレタポルテ!!」を考えていきましょう。

ファッションなんて、全然詳しくない素人だけど、大まかな構造は、

オートクチュール(芸術作品!!)

プレタポルテ(高級既製服)

プレタポルテのテイストを取り入れた普及価格帯

とにかく安い、激安服!!


となるように思います。
私なりに、これを音楽(クラシック界)に当てはめると

オートクチュール(芸術作品!!)
=ショパン・コンクールや、チャイコフスキー・コンクール等の覇者
至高の芸術を追い求める、国際的演奏家


プレタポルテ(高級既製服)
=上記に順ずるレベルで、国内外でコンクール多数受賞
国際的に演奏活動を行っている


プレタポルテのテイストを取り入れた普及価格帯
=基礎的な素養があり、中規模のコンクールでの受賞暦も多い
地域の需要に応じて、丁寧な演奏活動を行う。


とにかく安い、激安服!!
=音符が読める…程度
時に、レストランのBGM演奏などでお目にかかかる!?


あくまで、私の個人的な見解だけれども、こんな風に考えてみると、音楽を取り巻く状況がすっきり整理できるのでは!?と、思いついたのです。
ところで、完全に私が創作した項目が1つ!!

そう…音楽の普及価格帯です。
何もファッションに限らず、一番需要があるのは、この分野のはず。
けれど、今のクラシック業界はハッキリ言って、この「普及価格帯」が完全に欠落している状態だと思うのです。

努力をいとわない音楽家は、みんなプレタポルテ以上を目指してしまう。
それしかゴールが無いように思っているから。
でも、実際には、プレタポルテの顧客層は限られているため、ほとんどの音楽家は食べていけないのが現実です。

需要と供給のバランスの中で、いかにして音楽を提供していけるかは大切なポイント。
激安ではないけれど、オートクチュールからインスピレーションを受けて創作された、プレタポルテのテイストを、限られた予算の中で、精一杯盛り込みながら、たくさんのお客様に上質の生演奏を届けていく…そんなサービスを、きちんと提供していきたいと、明確に思ったのです。

ファッションと音楽。
制約はあっても、やはり、「夢」だけは失ってはいけない分野ですね



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演奏家とドレスの話

今年のアカデミーショーでは、「おくりびと」が、邦画初の外国語映画賞に輝きました
おめでとう
で、ここでは、そんなアカデミーショーを見ながら気づいた「ドレス」の話をしましょう
↑映画は時間を見つけて見に行くとして・・・

演奏家とドレスは、切っても切れない関係です。
ハッキリ言って仕事着だもん!!
職種が違えば、つなぎを着て、現場作業に行く!!というぐらいの感覚でしょうか!?
だから、1番に求められるのは、機能性。

演奏は、思っている以上に過酷な肉体労働。
だから、動きを妨げず、演奏中にストレスにならないデザインが大切になります。
例えば、私は足の動きを妨げるマーメードラインは絶対に着ません。

その次に必要なのが、演奏中に美しく見えるフォルム。
ピアニストで言えば、基本的にお客様に対して右向きで座り続けます。
だから、私は、背中のラインと右側のデザイン、その他、動いた時の質感などに、こだわっています。

意外にも、日々の生活を地味に送ることが多い演奏家にとって、様々なドレスを着れることは、やはり楽しいことです。
でも、同時に、大切なファン・サービスである「ドレス」選びは、大変な作業です。
常に夢を与え、飽きられないように、新しいものを取り入れながら、センスを磨き続ける必要があるのです…。

さて、アカデミーショーの授賞式に話を戻しましょう。
アカデミーショーの授賞式は、さすがアメリカ!!!
それ自体が、立派なエンターテイメントになっています。
そして、数々の素晴らしいドレスとアクセサリー
ず〜っと見ていたいほど、華やかな画面が続きます。

最近は、アクセサリーもオリエンタルな雰囲気のデザインが流行っているのでしょうか?
なかなか、これ!!という市販品に出会えないのと、あっても、あまりに高すぎるので、手作りしようかと考え始めている今日この頃…。

ドレス選びも悩ましいけど、とにかく、もっと時間が欲しいところです



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音楽が繋ぐ「出会い」 〜出張生演奏の現場から〜

出張演奏の現場では、初めての場所で、初めてのお客様とたくさん出会います。
この音楽を通じた「出会い」は、私にとって、何よりも嬉しくて、何よりも楽しい、一番の「ごほうび」です。

舞台での演奏家は、とっても孤独で、お客様の審判を震えながら待っているものです。
でも、演奏が始まってしばらくすると…さっきまで見知らぬ同士だったお客様との距離が徐々に縮まって来るのを感じるのです。

最後には、演奏家⇔お客様どころか、偶然隣り合わせただけのお客様が同士が「楽しかったわね」とか「おやすみなさい。お気をつけてお帰りくださいね。」などと会話を交わすようになることまであって、音楽が繋ぐ「出会い」の素晴らしさに感動してしまうのです。

とかく演奏家は、
「私の音楽をお客様に届けたい」とか、
「私の音楽の中から1つでも共感してもらえるものがあれば嬉しい」
などと言うものですが、こんな経験をしていると、そんなセリフがおこがましく感じてきます。

生演奏というのは、一方的に演奏家が届けるものではなくて、お客様からもたくさんのパワーを頂きながら、共に作っていくもなのだと実感するのです。
確かに、演奏を始める時、それは演奏家の孤独な格闘です。
たった一人で、たくさんのお客様に音楽を届けなくてはいけない…大変な準備と覚悟が必要です。
けれど、いつの間にか、お客様が参加してくると、それは一人の戦いではなくなる…。
たった一人で始まった音楽が、そこに集った何十人、何百人というお客様によって何十、何百というエネルギーにして返して貰えるのです。

音楽の世界は、一生勉強ですが、今の時代、どんな仕事でも日々「勉強」を怠ることはできないでしょう。
だから、生演奏とは、それぞれが全力で過ごしている人生を、お互いに返し合う場…まさにLIVE(ライブ=人生!!)であるように思えるのです。

そして、ひとつの舞台が終わって、次の舞台を迎える時。
ふと、一人ではないことに気づくのです。
それまでに出逢った、たくさんのお客様から頂いたパワーに支えられて、舞台に立っているのです。
そして、その日も、また新たな出会いの中で、更にたくさんのエネルギーを貰って帰る…。
舞台は経験を重ねないと…と言う意味が分かるような気がするのです。

だから最近は、音楽の持っている懐の深さと、その魅力に、私自身が気づかされ、そして微力ながらも演奏家として皆様と出会えることに喜びを感じる毎日です。

今年も、たくさんの出会いが、待ち遠しいです



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【♪】演奏サンプル:幻想即興曲

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ピアノ演奏:水野沙織

2007.11.11 録音

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プロフィール

水野沙織

Author:水野沙織
ピアニスト・ピアノ講師
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Photo by K.Sakayori

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