ぴあのオフィス便り
出張ピアノ演奏・ピアノ教室
ハノンは必要な教材か?
指の訓練教材に「ハノン教則本」というのがあります。
ドレドミラソファミ・レミレファシラソファ・ミファミソドシラソ・・・・
ドミファソラソファミ・レファソラシラソファ・ミソラシドシラソ・・・・

今でもスラスラいくつかの音型が出てきます。
一昔前までは、バイエルやツェルニーと並んでハノンは誰もが取組む必須課題!?でした。
それを知ってか、大人になってから習いにいらっしゃる生徒さんにも
「ハノンやバイエルは弾かなくて良いのでしょうか?」と、良く聞かれます。

私は、たとえ初心者でも、大人の方には好きな曲を弾いて頂きたい!と、思っているので、基本的にバイエルやツェルニー、ハノンなどに取組むことは殆どありません。(お子さんの場合は変わりますので、話は別の機会に)

と、いうのはバイエルやツェルニーの教則本では、殆どの大人の方が弾きたい、ポップス系の曲やショパンのノクターンなどのテクニックがカバーしきれていないので、ならば実際の曲の中で様々なことを学んでいって頂ければ良いのでは?と考えているからです。
(ちなみに、この考え方は、長年師事したリスト音楽院の教授の指導方針に影響を受けたと思います)

で、冒頭の「ハノンやバイエルは弾かなくて良いのでしょうか?」というご質問には、それらを踏まえた上で、
「でも、やりたければ、やってみましょう!」とお誘いするのですが、皆さん別に弾きたいわけではないんですよね。(笑)

私自身、「ただの指練習」のハノンは大嫌い!!!!!で、子供の頃ほとんど真面目に取組みませんでした

ところで、少し前、大学時代の友人と話している時、演奏に必要なのは、やっぱり指の筋力だ!という話になりました。
で、彼女は時々、筋力の状態を確認するために「ハノン」の中のユニゾン・スケールを弾いているといいます。
(ユニゾン:左右ともドレミファソラシド・・・と全く同じ音を弾いていくこと。左手の小指と右手の親指を同時に弾く→左:薬指と右:人差し指・・・という様に、左右同じ音を、長さも太さも違う指で弾かなくてはいけないので、技術が必要)

ハノンのスケールなんて、学生以来まともに弾いていなかった私は、
「あら、そうなの?」ということで、家に帰って早速実践!!
ハノンの本を探すのが面倒だったので、とりあえず鍵盤の端から端まで5オクターブ、半音ずつずらしながら全調でスケールを弾いてみると・・・あぁムズカシ〜イショック!

これからは、私も時々スケールを弾いてみよう!と決心したのです。
ただ同時に、ハノンは色々な基礎知識を持った上で取組まないと意味がない教材だともハッキリ感じました。
どんなことも、きちんと取組めば無駄なことはないものの、もっとも最短ルートでより多くの成果が上げられるレッスンを目指すためには、何より教師側の「腕」が必要なんですよね。

ところで・・・
バイエル、ツェルニー、ハノンって元々何の名前だかご存知ですか?


正解は・・・ぜーんぶ「作曲家」の名前です♪



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良いピアノの先生とは?
4歳でピアノをはじめてから今日まで、たくさんの先生方にお世話になってきました。
国籍も様々、専門もピアノとは限らず(作曲家や指揮者の先生もいらっしゃいました)…本当に様々な先生に教えを授けて頂きました。

そんな私が生徒として、「こんな先生のもとで勉強できて幸せだな♪」と思い、
微力ながらも、「そんな先生になりたいな♪」と思うのが、次の4つを満たしている先生。

(1) 定期的にソロでのリサイタルをしている
(2) 伴奏やアンサンブルの舞台もこなしている
(3) 作曲や音楽史など学術的な勉強をしている
(4) 人間的に信頼できて尊敬できる

いきなり(1)で、ほとんどのピアノの先生が当てはまらないのかもしれませんが、たくさんの先生方(結局、私は殆どが演奏家の先生でしたが)に接する中で、どんなに苦しくても自分に課すべきことはリサイタルなのだと気づいたのです。(ちなみに「リサイタル」というと、出演者が1人だけという意味になります)

なぜそうなのか?
私なりの音楽に対する勉強の捉え方と、目標を軸に連載していきたいと思います。


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ちびっこの憧れ!「ねこふんじゃった」
練習嫌いのお子様でも、やたら弾きたがるのが「ねこふんじゃった
お母さんに、「そんな曲ばかり弾かないで!!」と怒られるのが「ねこふんじゃった
そして、ピアノ教室で、まず教えることがないであろう曲…
それが、「ねこふんじゃった!!」

世界中で愛されているらしい、この「ねこふんじゃった」の面白さは、一体ドコにあるのでしょう??
まず思いつくのは、ちょっと間が抜けたような音遣い!?
こども心を大いにくすぐります

そして、おそらく一番の理由は…カッコ良さ????
何しろこの曲は、初期の教則本の中では殆どお目にかかる事のない、“黒鍵使用”と、さらには両手クロス技が入っているのだもの。

だから、「ねこふんじゃった」は、永遠に、ちびっこ達の憧れ!!
楽譜にすると、実はすごーく複雑で弾きにくい!なんて、知る由もなく(まあ、楽譜に直す必要なんてドコにもないけど・・・)日々練習に励んでいるのです。

でも、このカッコ良さを求める思い…本当は大切にしなくてはいけないのかもしれません。
体も手も小さいから…と、迫力ある“カッコ良い音遣い”を簡単に諦めないで、たまには低音域を上手く取り入れた曲を作って弾かせてあげるとか、相対音感や移調奏(←説明すると長くなるので、とりあえず省略・…)の育成を兼ねて、遊びの中にドンドン黒鍵の使用を取り入れていくべきだと思うのです。

こども達の抱く「憧れ」を、すこしずつ叶えてあげる場…それがレッスンでありたいな…と、思うのです。

と、言いつつ、実は「ねこふんじゃった」が難攻不落の超絶技巧!?のまま大人になってしまた人・・・それが、ワタシ。
私がピアノを始めたのが4才なので、それから間もない頃、幼稚園に行くと教室に置いてある1台のピアノを取り合って「ねこふんじゃった」大練習会が毎日繰り返されていました。

で、私がどうしていたかと言うと…友達の「ねこふんじゃった」ブームに見向きもせず、1人「エリーゼのために」の練習に励んでいたのです。
先生から出された課題のバイエルを放っぽって…。
そして、この果敢なる「エリーゼのために」挑戦に飽きてきた頃、「ねこふんじゃた」ブームは静かに消え去り、おかげで殆ど「ねこふんじゃった」を弾かないまま大人になっていました。

と、いうことで!?次回は、ちびっこ永遠の憧れ第2弾!「エリーゼのために」を語ります。
お楽しみに♪

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子供のピアノ教室(1) 「音楽との出会いを大切に♪」
子供のピアノ・レッスンの連載がスタートしました。
どうぞ、よろしくお願いします!!

さて、第1回の今日は、「ピアノ・レッスンとの出会い」についてお話したいと思います。

音楽との出会いとは、何でしょうか?
そもそも、ピアノを学ぶ目的や意義などは、本当に人様々です。(このテーマは、これから少しずつ書いていきますね。)
ただ、大人になった時のピアノとの関わりを考えると、大きく分けて「趣味で楽しむ」方と「仕事にする」方の二通りになるのでしょう。

その為か!?小さなお子様の体験レッスンでの最初の質問が「プロを目指しますか?」「趣味程度で良いですか?」それによって、レッスンを変えますので…と、なることがあるようです。

???????
まだ、習い始めてもいない小さなお子さんに、「プロ」か「趣味」かの二者択一を迫るのでしょうか?
しかも、趣味「程度」をご希望の方には、「プロ」を目指す方とは全然違う…どんなプログラムを組むのでしょうか?

この質問、恐らく、お母様の「夢」を聞いていらっしゃるのでしょう。
お母様が「プロ」志望なら、少々月謝がお高くても・レッスンが厳しくてもトコトンついてくる。
そうでないなら、ほどほどに…と言ったニュアンスかもしれません。

私のようにエリート街道とは程遠いスタートをしている身からすると、正直、3歳4歳から英才教育を受けられるお子さんは、羨ましい…と、ずっと思っていました。
もちろん、素晴らしい教育を受けて、才能を開花させて…それは本当に素敵なことだと思うのですが、ただ、実際、そんなに音楽的に恵まれた環境で育つお子さんは多くはないというのが実感です。

思うに、生涯を音楽に捧げる人も趣味で楽しむ人も、音楽の道で目指す「頂き」は一つなのです。
様々なコンプレックスに悩んでいた日々、
私の尊敬するピアニストであり、私の先生でもある方に「富士山の頂上は1つしかないけれど、登り方は無限にある。自分の登り方で頂上を目指しなさい…。」と、おっしゃって頂いて、何よりの救いになり、今は私自身の「演奏」と「指導」両面での指針とする言葉です。

ピアノを始めるキッカケなんて、なんでも良い!
子供時代を過ごす環境も大人になってからのピアノとの付き合い方も、様々で良い!
ただ、最初の「ド」の音を学ぶその時から、ずーっと先にある「音楽の頂き」を見据えてレッスンをしていきたいと思うのです。

もっとも、私も、頂上どころか入山口ぐらいにしか辿りついてない汗ので、日々勉強の身ですが。

音楽との出会い…。
素晴らしい音楽を聞いて、感動できる心を育て、自分で表現できる喜びを経験する・・・。
それらを、長い人生の中で、ずーっと友にしていくための最初の一歩なのだと思います。

将来プロになるのか、趣味として大切に育むのか…まだ誰にも分からない。
そんな可能性に満ち過ぎているお子さんたちに、音楽を伝えているのだ!という責任感を忘れずに、それぞれのお子さんと向き合いながら、それぞれの方法で頂きを目指せるよう、レッスンに取り組みたいと思っています。

うきうきする春
素敵な音楽の道を、一緒に始めませんか?

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日本人は、ピアノが好き!!
2月9日、日経新聞の土曜版「NIKKEI プラス1」での1面特集。
資金にゆとりがあればやりたいこと…。

1位:海外旅行
2位:ゴルフ
3位:英会話
4位:株式投資
5位:乗馬
6位:ピアノ
7位:スキューバ・ダイビング

海外旅行や英会話は、今では、すっかり身近なものになりましたが、海外旅行でも「世界遺産を全てめぐる旅」や「豪華列車の旅」、また、ゴルフも有名ゴルファーからみっちりレッスンを受けたい…などなど、夢はワンランク上を行っているようです。

同じ習い事でも、ゴルフ、乗馬、スキューバ・ダイビングなど、一般的にお金の掛かる趣味(大人のスポーツ)がランクインする中で、文科系で英会話に並んでピアノがランク・インしたのは、やっぱり日本人はピアノが好きだからなのかな!?と、思うのです。

私が子供の頃は、恐らくピアノ教育全盛期なのではないでしょうか?
クラスの女の子は殆どピアノを習っていた…という話を、外国で現地のピアノの先生や様々な国の学生たちに話すと、たいていすっごく驚かれるのです。
「日本人は、なんでそんなにピアノが好きなんだ!?」と。

ヨーロッパの国で思うのは、彼らにとって音楽は「家業」のようです。
パン屋の息子はパン屋を継ぐ、靴屋の息子は靴屋を継ぐ…のように、たいていの音楽家は一家全員音楽家で、お母さんは歌手、お父さんはチェリスト、おじいさんはヴァイオリニスト、弟はフルーティストで…のように、DNA的にも環境的にも、生まれたときからずっと音楽に囲まれて育っているのです。(羨ましい!!!!)

だから、私が普通のサラリーマン家庭育ちで、家族の誰にも、プロどころかアマチュアの音楽家すらいなくて、ピアノを始めたきっかけは、周りのお友達が習っていたからだ…と、いうと全く信じられない!!!という表情をするのです。

日本人がピアノ好きになった理由はいくつかあると思います。
おそらく最大の理由は、高度経済成長を経てヤマハとカワイという2大ブランドによって、ピアノの楽器を安く・大量に・安定したクオリティーで供給できるようになったことにあるのではないでしょうか?

たくさん作れるようになったピアノの受け入れ先として、一般家庭の子供たちのレッスンを、これまた安く供給するようになり、ピアノを中心としたビジネス・モデルが出来上がったのでしょう。

それと、日本には元々「習い事文化」があるように思います。
寺子屋時代から、お習字を習ったり、そろばんを習ったり、また女の子たちは、お琴・お茶・お花・日本舞踊、更には詩吟や俳句、民謡、剣道、柔道まで…習い事を受け入れる文化的な土台と、時代が上手くマッチして、ピアノは馴染みの深い楽器として定着したのだと思います。

しかし、現在、ピアノを取り巻くビジネス環境は厳しい限りです。
それを、少子化だから…と結論付ける人もいますが、私には、教育や文化を「産業」にしてしまった代償のようにも思えるです。

小さい頃からピアノを始め、たくさんの家庭に楽器を買ってもらい、買ってしまったら、やめちゃってもOK!、あとは頑張って続けた人が音大に行ってピアノの先生になり、また子供を迎え入れる。別の方向性として、音大進学組には、上位機種を購入してもらい、さらにはコンクール・ビジネスまでが飛び出し、おかげで日本は世界有数の「優れた」ピアニスト輩出国になれたのですが、一見順調なこのビジネス・モデルに欠けていたのは、「文化を育てる」という観点でしょう。

音大を卒業した大半の人がなりたい職業は、ピアノの先生というよりも、ソリストとしての演奏家業なのですが、ハッキリ言って今の日本では、どんなに優れた演奏家でも演奏業だけで食べて行くのは困難なのです。

思うに、仕事というのは、大なり小なり、社会貢献活動なのです。誰かの役に立たなくては報酬を受け取ることはできません。音楽業界は、社会の中での演奏家の位置づけがあいまいなまま、今日まで過ごしてきたように思えるのです。

子供の頃にピアノを習っていた、たくさんの子供たち…。
弾かなくなって、無用の長物と化したピアノの楽器。
その子供たちが親になって思い出すのは、怒られてばかりのレッスン、退屈な練習の日々…。お子様を連れてお教室を訪れるお母様の中には、マイナスのイメージの中で迷いながらいらっしゃる方も多いのです。
それでも、ピアノを習わせよう・習いたい!と思っていただけるほど、やはりピアノという楽器は魅力を秘めている楽器なのでしょう。
ただ、今の状況は、本当の意味でピアノを世の中に送り出す為のラスト・チャンスだという危機感で一杯です。

私は、教室を訪れて下さる生徒さんに、ピアノが弾けるようになる喜びと共に、音楽を味わう喜びを知って欲しいのです。
ピアノ教室にお月謝を払うたくさんの方々が、その一部でコンサートのチケットを買って下さったら、多くのピアニストが、演奏に集中できる環境で、演奏業をして行くことが出来るのではないでしょうか???

今日は、「お金」の話になってしまいましたが、頑張ってもお金にならない仕事をしている大人に子供は夢を見ないのではないでしょうか?
と、言っても音楽の本質は利潤追求であってはならないとも思います。
私なりの「ピアノ教育の目指すもの」を少しずつ書いていきたいと思います。

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【♪】演奏サンプル:幻想即興曲

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ピアノ演奏:水野沙織

2007.11.11 録音

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プロフィール

水野沙織

Author:水野沙織
ピアニスト・ピアノ講師
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Photo by K.Sakayori



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